日本における「一人暮らしの高齢者」は、約600万人いて、その数は今後さらに増えていくことが予想されます。
人生100年時代と呼ばれる現代をひとりで生きていくことはどんな問題が発生して、不安なく暮らすにはどのような工夫が必要なのでしょうか?
この記事では、そんな「老後をひとりで生きていく」ことについて解説していきたいと思います。
老後をひとりで生きていくということ
一昔前よりも離婚率が上昇した日本では、「熟年離婚」という言葉が象徴するようにひとりで生きていく人が増えてきています。
また、配偶者との死別によってひとりとなってしまった人も多く存在します。(通称「ボツイチ」と呼ばれています)
妻が65歳の時に夫と死別する割合は、約10%と非常に高いのです。
老後にひとりで暮らすことになると、様々な面で困りごとが増えていくでしょう。
死別であれば「遺族年金」もらえるためいくらかマシではありますが、近年話題となった「老後2,000万円問題」のように「金銭的な問題」は大きな不安要素となるはずです。
他にも、妻に先立たれたり離婚をしたことによって、男性が慣れない家事を自分自身でやらなくてはいけなくなったり、夫との死別や離婚によって、重たい買い物や家の電球交換なども女性自身が自分で行わなければならないのです。
こういった「生活の問題」も、弱っていく体でずっとこなしていかなければならず、金銭的な問題と同じように一人暮らしの高齢者を苦しめていく原因となるのです。
そしてもう一つの重要な問題が、「さみしさ」です。
人間は「心の拠り所」が必要な生き物です。
群れるのは嫌いという人は多いですが、悩み事やちょっとした愚痴、日々の暮らしの中で自分と共感してくれる存在は必要であるという人はかなり多いのです。
老後をひとりで暮らしていく中で、そういった共感してくれる人の存在があるのとないのとでは精神的に大きな影響が出てきます。
さみしさを紛らわすかのようにお酒を飲みすぎてしまったり、ギャンブルにハマってしまったりする一人暮らしの高齢者はとても多いのです。
老後をひとりで不安なく生きる方法
金銭面や生活面、精神面でも不安を抱えやすいひとりで生きる老後ですが、楽しく幸福度の高い暮らしをするためにはどのような工夫や意識をすることが重要なのでしょうか?
例えば、
・これまでの人生で培った経験やスキルを現金化する
これまでに生きてきた期間で得た経験やスキルは、地域やネット社会で収入を得る手段にもなります。
65歳を過ぎたら年金で暮らすという固定観念を取り払い、月に2~3万円でも収入を上げることで格段に金銭面で安定するはずです。
・積極的に外出し、コミュニティーに参加する
ひとりで暮らし始めると、外出するのが億劫になったり、他者との関りが少なくなっていきます。
適度な運動や他者との関りは、肉体的にも精神的にも良い影響を与えるので、積極的に外出して地域のコミュニティーに参加するようにしましょう。
そういったコミュティーでの繋がりによって、生活の中で困ったことなどを助けてもらったり、一緒に買い物したりすることができるようになるのです。
・サービス付き高齢者向け住宅に入居する
有料の老人ホームとは違い、一般の賃貸住宅と同じようなものですが、バリアフリー設計がされていたり、食事の提供や訪問介護などのサービスが揃っているところも多いのです。
自分と同じような高齢者が多く住んでいるため、コミュニティも作りやすく、精神的な安定を手に入れることができるのです。
まとめ
今回は、老後をひとりで生きていく為に必要な不安解消法について解説してきました。
人生で培った経験やスキルを活かして収入を上げたり、積極的に外出してコミュニティーに参加する、サービス付き高齢者住宅に入居するといった方法によって、ひとりでも幸福度の高い生活を送ることができるのです。
簡単なようで難しいこれらの方法は、しっかりと意識して改善していかなければなりません。
ぜひ人生100年という長い年月を幸せに暮らすために、これらの方法を実践してみてはいかがでしょうか?