DTP デザイン上級者になるために必要なことは?
DTP デザインは、ずっと同じ作業をしていると、ただのオペレーター(作業員)となってしまいます。その働き方も一つではありますが、給与はあまり大きく伸びません。
そのため、昇給を目指すなら、 DTP デザインスキル以外も身につけて、上級者としてレベルアップしていく必要があります。
例えば、コミュニケーションスキルも重要になります。パソコンで制作しているだからコミュニケーションは必要じゃない、というわけではありません。
企画を聞き、クライアントがどのようなものを求めているのか。それを自分がどういった考えで作り、プレゼンするのか。そういった風に、周囲と協力して作業を行う必要も出てきます。
上級者となるためには、他にどんなことをしていく必要があるのでしょうか。この記事ではどんな方法があるか、見ていきましょう。
DTP デザインスキルのレベルアップ手順

DTP デザインは、取り扱う制作物が多岐に渡ります。
・チラシ
・DM
・名刺
・フライヤー
・電車の中吊り広告
・本、冊子
・会社案内パンフレット
・お菓子や化粧品などのパッケージ
・看板
・のぼり
つまり、それぞれの制作物の特徴にあった制作方法を知っておく必要があります。
例えば、名刺と店舗の看板やのぼりでは、大きさが全然違うことは一目瞭然ですよね。そのため、それぞれの特性に合ったデータの作り方や印刷のための出稿方法などを知っておかなければなりません。
また、印刷は CMYK と呼ばれる4色の版を組み合わせることで印刷しますが、 0 ~ 100% までの数値で表します。
4色のインクをどのように組み合わせるか、きれいに印刷するには4色を合計した濃度を何%に抑えないといけないか、などを知っておく必要があります。
また、「特色」と呼ばれるインクや、「カラーコード」なども知っておく必要があります。
用紙についても、例えば一般的に使用される用紙は A4 サイズです。しかし、名刺の一般的なサイズは 91 × 55 mm です。
他にポスター用の A3 ・ A2 サイズであったり、長3封筒・角2封筒のような封筒のサイズ。看板であれば、クライアントから指定された何 m という大きいサイズで作る必要がある場合も出てきます。
このような知識は、 DTP デザイナーなら知っておいて当然の基礎知識です。そのような知識を、いかに素早く吸収していくか、という柔軟な姿勢も必要になってきます。
他にも、上級者であれば、自分のデザインを提案する際に1案だけでなく、複数のデザイン案を提案することもあります。
こういったアイディア出しは、普段からどれだけ良いデザインに触れ、情報をインプットできているか、ということが重要です。
他の人が作ったデザインや技術をいかに盗んで、自分のものにしていくか。そういった柔軟な姿勢も、 DTP デザインする場合は重要になります。
また、細部へのこだわりも上級者の特徴です。
データ上の 1px (ピクセル)のずれや、 1mm のずれも見逃さず、違和感をとらえるでしょう。そういった細かい部分も手を抜かず、細部までこだわりぬくことが、上級者である証です。
それだけでなく、自分が作ったデザインにポリシーがあり、完成品に対して責任を持っています。
だからこそ、自分のデザインが通らなかった場合は本気で悔しがる。そういった向上心、負けん気といったことも、デザインが上達する要素の一つでしょう。
DTP デザイナーのありがちな悩み・給料について
印刷に関する知識は、本やインターネットからも得られますが、実際に機械で印刷する際の細かいノウハウなどは、そのときの気温や環境など、これまでの経験がものをいう”職人的”な部分も多くなってきます。
また、 DTP デザイナーは、先ほども言ったように、ただ同じ作業を繰り返しているだけだとただのオペレーターになってしまいます。
そして業界標準的には、 DTP デザイナー(オペレーター)は給料が低い傾向にあります。
それでもいいのか、そこから、グラフィックデザイナーと呼ばれるような、デザインを主体とした業務を目指すのか。
あるいは、印刷や製本、機械整備といったハードウェアのエキスパートを目指すのか。
それとも営業やコミュニケーションが必要になる業務に挑戦するのか。
そういった将来のことを考えておかないと、給料のアップはなかなか難しいでしょう。
DTP デザインのスキルアップができたら幅広い分野に挑戦しよう
DTP デザインのスキルアップは、デザインの知識を覚えていくことはもちろん、印刷する用紙サイズや機械の設定なども覚えていく必要があるなど、難しいですがやりがいもあります。
そして基本的な知識がついたら、「自分は将来どのようなことをしていきたいのか?」ということを考える必要があります。
上級者を目指すなら、自分のデザインにポリシーを持ち、やることやあえてやらないことを決め、いろいろな視点から良いデザインを吸収し、自分のものとしていく。
DTP デザインだけでなく、いろいろな業務にも挑戦し、スキルアップ・給料アップを目指しましょう。